門前地域住宅復興支援ネットワーク
平成19年10月9日に、「能登半島地震被災住宅修復手法検討モデル調査」の一環として、旧門前町の伝統的な民家の建て起こし現場で、現場公開を行いました。
この民家は、能登半島地震で多大な被害を受け全壊判定となりましたが、関西大学建築学科の西澤英和准教授(建築保存工学研究室)とNPO法人文化財修復構造技術支援機構(ASSEC)による技術支援を得て、大規模な修復工事を行っていました。
この公開は、被災地の方々に伝統的な木造住宅はかなりの被害を受けても建て起こしなどの技術を活用して修復が可能であるということを実体験して頂くことを目的として実施しました。
当日は、地元にお住まいの方や行政関係者、建築関係者の方々に多くご参加いただきました。
また、この模様はNHKの全国ニュースを始め、多くのメディアで取り上げられました。
尚、この現場公開に当たっては、持ち主の方及び西澤准教授、現場の長谷川棟梁の多大なご協力をいただきました。ありがとうございました。
・ 当日は、まず門前支所において、協議会メンバーより、門前地区内で行われたマルタ屋、旧酒井家の建て起こしについて、施工した棟梁とともに講演がありました。
・ 次に、修復現場へ移動して、現場の長谷川棟梁より工事内容の説明をいただきました。当日は、柱のジャッキアップ、柱の水平位置修正、仕口の修正の3つの修復を公開していただきました。
・ 柱の水平位置を修正しています。
・ 仕口に隙間が空いています。
・ 柱を含む建物全体を梁側に引っ張った結果、隙間は解消されました。
・ 被災当時の状況です。
・ 現場公開終了時には、傾きは修正されていました。
・ 現場公開終了後に来場された方へのアンケートでは次のような感想をいただきました。
・職人さんの確かな力と施主の方の決断で、いくらでも家は直るということを改めて痛感しました。(金沢在住)
・大掛かりな工事で、元通りにするためには費用と期間を要するため、古いものを残そうという施主の意気込みがないとできないと思った。(門前在住)
・古い物を残していくことに賛成します。震災直後(の状況)からみたら、とても頼もしく思います。(金沢在住)
・現場を見て、大変よくわかりました。(門前在住)
・手法はわかったが、一般的な費用が一番気になる。(門前在住)
・建て起こしがわかりやすかった。よかった。(輪島在住)
・古い家は材料も立派なので建て起こしてまっすぐになり良かったなと思います。(門前在住)
・新築と建て起こしの費用を思うと若い人は新築を望んでいるので、そのどちらを取るか難しい問題である。(門前在住)
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